映画『血筋』公式サイト

Introduction

『血筋』は、あなたの知らない家族の物語です。
赤の他人の物語をなぜ観るのか?

『血筋』は今までに全国11ヵ所で上映を行ってきました。
上映後たくさんの感想を頂くのですが、そこに書かれていた多くは観客自身のことでした。
そしてどれもが十分、映画一本になる熱量を持っているように思いました。

遠い国のあなたが知らない家族の物語……
『血筋』は観る人の過去をより優しい仕方で振り返る「鏡」のような存在なのかもしれません。

僕は、上映後の会場の雰囲気がとても好きです。
ピンと張り詰めていた空気が、様々な思いの詰まった溜め息とともに緩み始める、
あの瞬間に立ち会うのがとても好きなのです。

吐き出されるのは霊のようで、新たな物語への片鱗を感じました。

赤の他人の物語を通して、何を観るのか?
あなたの物語をぜひお聞かせください。

角田龍一

History

2014年
撮影開始。

2017年
大学卒業後、第68回ベルリン映画祭正式招待作品『Blue Wind Blows』で助監督を務める。
職も家もなく、関西と関東を行き来しながら映画編集を続ける。

2018年
資金難に陥るも、クラウドファンディングに挑戦し成功。
京都のお寺で書生として暮らしながら映画を完成させる。
10月には新潟・市民映画館 シネ・ウインドで初の上映。超満員。

2019年
全国で自主上映を行う傍ら、映画祭での上映も実現。
カナザワ映画祭「期待の新人監督」ではグランプリを受賞する。

自主上映
・新潟・市民映画館 シネ・ウインド(新潟)
・大衆酒場ソクラテス(新潟)
・尚絅学院大学(仙台)
・神戸青年学生センター(神戸)
・Bar NAJICA(大阪)
・佐渡ヶ島野外上映(台風のため中止)
・Cafe&Bar LYNCH(松島)
・日本料理コスモス、温馨空間(北京)
・早稲田大学
・上智大学
・東京外国語大学

映画祭
・にいがた国際映画祭
・カナザワ映画祭(グランプリ)
・ながおか映画祭
・Cebu international film festival

Comments

創作に対しては常にピュアでありたい。 決して道徳的な律ではないし、ましてや世間様への行儀でもない。 そこに単純に幸福があるからだ。
しかし、誰だってポツンと一人、何のしがらみも無く存在できるわけもなく、家族もいれば社会もある。 彼らからの評価で金銭を得て生きている。 どうやったらピュアな創作者になんかなれるの?
『血筋』は教えてくれる。それは、決して現実から目を逸らさないこと。

山賀博之

映画監督(NHK『ピアノの森』)

作りもののドラマでは決して生み出せない人間のダメっぷり。 ふとした拍子にこぼれる、飾りのない言葉の重み。 深い年輪を刻んだ顔に浮かびあがる、いくつもの感情を宿した表情。
一筋縄ではいかない人間たちが織りなす、懸命な人生のあがきに胸が締めつけられ、憤り、苦笑し、やがてそのすべてを自分に重ね合わせていることに気づいて胸が熱くなる。 ああ、これが愛ってやつなんですね。

山下卓

小説家(『ノーサイドじゃ終わらない』)

角田龍一は生意気で尖ってて嘘のない男です。 だから注目せざるを得ない。
僕らには想像できない世界を創れ。

上国料勇

アートディレクター(ファイナルファンタジーシリーズ)

「血筋」を求めてソウルに向かう中国朝鮮族出身の日本青年。
ここには東アジアのディアスポラの歴史がある。

波田野節子

朝鮮文学者(李 光洙著『無情』翻訳)

醜い父親に、冷徹にカメラを向け続ける息子。 なぜか、その関係性がとても清々しく愛らしい。
それを担保しているのは、まぎれもなく二人の間に流れる『血』である。

森義隆

映画監督(『宇宙兄弟』)

破壊と調和の狭間を縫うように流れる人生の中で、何も飾り立てずに、冷淡にもがく角田龍一の視点は、我々にとってかけがえのないものとなるだろう。
その原点に立ち会えたことを光栄に思います。

郷古廉

ヴァイオリニスト