『血筋』は、あなたの知らない家族の物語です。
赤の他人の物語をなぜ観るのか?
『血筋』は今までに全国11ヵ所で上映を行ってきました。
上映後たくさんの感想を頂くのですが、そこに書かれていた多くは観客自身のことでした。
そしてどれもが十分、映画一本になる熱量を持っているように思いました。
遠い国のあなたが知らない家族の物語……
『血筋』は観る人の過去をより優しい仕方で振り返る「鏡」のような存在なのかもしれません。
僕は、上映後の会場の雰囲気がとても好きです。
ピンと張り詰めていた空気が、様々な思いの詰まった溜め息とともに緩み始める、
あの瞬間に立ち会うのがとても好きなのです。
吐き出されるのは霊のようで、新たな物語への片鱗を感じました。
赤の他人の物語を通して、何を観るのか?
あなたの物語をぜひお聞かせください。
角田龍一